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ChatGPT vs 間違えやすい社名!
こんにちは!
みなさん大好き「ChatGPT検証シリーズ」。
今回のテーマは「ChatGPT vs 間違えやすい社名!」です。
校正者として、注意しなければならない項目のひとつに固有名詞があります。
その中でも、社名は特に慎重に取り扱うべき重要な要素です。
企業の正式名称に誤りがあると、信用を損ねたり、相手への非礼にあたったりするため、正しい社名の確認は欠かせません。
たとえば、「キャノン」や「ブリジストン」など、間違えてしまいがちな社名にも注意が必要です。
そこで今回は、これらの間違えやすい社名を含んだ文章をChatGPTに校正してもらい、果たして正しく直してくれるのか?を検証したいと思います。
さあ、ChatGPTはどれだけ正しく修正してくれるのか、皆さんも楽しんで見ていってください!
まずは間違えやすい社名を紹介!
まずは今回の検証の主役である、間違えやすい社名を挙げてみましょう!
みなさんも結構間違えて覚えているかもしれませんよ。
まずは・・・
これは有名ですよね? 「ヤ」が大文字が正しい社名です。
ではなぜこの社名になったのでしょう?
キヤノンのホームページに理由が書いてありました。
キヤノンの「ヤ」の字は何故大きいのでしょうか?
なぜ「キャノン」ではなく「キヤノン」にしたかというと、全体の見た目の文字のバランスを考え、きれいに見えるようにしたからなのです。 「キャノン」では、「ャ」の上に空白が出来てしまい、穴が空いたように感じてしまうので、それを避けたのです。
(キヤノンホームページより https://global.canon/ja/corporate/logo/)
こちらも同じパターンですね。「ユ」が大きいのが正しい社名表記です。
正しい社名表記は「キユーピー」と、「ユ」を大きく書く。この理由はデザイン上のバランスを考慮したそうだ。
広報担当者によると「キユーピーの『ユ』の字は、バランスよくデザイン上、大文字です」とのこと。これが最大且つ唯一の理由のようだ。
(神戸新聞NEXTより
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202303/0016174625.shtml)
また、キユーピーのホームページには社名の由来として
ブランド名には当時、人気だったキャラクターの「キユーピー」を採用しました。(https://www.kewpie.com/history/)
との記載があります。
キューピーのイメージを使用している企業はほかにもあり、アメリカの「キューピー・ハンバーガー」(Kewpee Hamburgers)もロゴにキューピーが使用されています。
話が逸れましたが
小さい文字を社名では大きく表記している企業はほかにもあります。
シヤチハタの「ヤ」はなぜ大文字なのですか?
当社が創業いたしました1925年(大正14年)では、当時の風潮で小文字を使用する機会が少なく、また、社名を文字で表した時に見栄えのバランスを整えるために大文字表記にした、という経緯があります。
(シヤチハタホームページより
「ヤ」が大文字の理由
社名の「ヤ」を大文字で表記している理由は、「ッ」と並んで小さい文字が続いてしまうと字の据わりがよくないことから、デザイン的に体裁を整えるために「ヤ」を大文字としています。
(文化シヤッターホームページより https://www.bunka-s.co.jp/corporate/brand/)
ここに上げた社名の中で「富士フイルム」以外は、小さい文字を社名表記では大きい文字で書きますが、読むときは小さい文字として読みますよね。
でも「富士フイルム」だけはそのまま「フイルム」と読むんですね。
なので、ほかの社名とはちょっと違うパターンになります。
文字のバランスもそうですが、ほとんどが歴史のある老舗企業で、歴史的仮名遣いとして社名の拗音を現在でも小書きにしないという理由もあると思います。
こんなパターンもあります。
社名の由来は、ブリヂストンホームページの「ブリヂストン物語」に書いてありました。
そこには、足袋からゴム靴、そしてタイヤ生産へ事業を展開していったというブリヂストンの歩みが書かれています。
その中で社名の由来について、
タイヤにはダンロップ、ファイアストン、グッドイヤー、グッドリッチなど、発明者や創業者の名前が付けられる例が多く、創業者の石橋正二郎は石橋の姓を英語風にもじって「ストーンブリッヂ」ではどうかと考えます。しかし語呂がよくないことから「ブリッヂストン」と並び替え社名、商標名と決めました。
(「ブリヂストン物語」より
https://www.bridgestone.co.jp/corporate/history/story/02_02.html)
ほかにも、間違えやすい社名はいろいろあります。
有名どころを上げてみましたが、みなさんは正しく使えていましたでしょうか?
では、ChatGPTの検証に移りましょう。
ChatGPTってそもそも何?
検証に入る前に、そもそもChatGPTとは何か、軽くおさらいしておきますね。
ChatGPTは、AI(人工知能)を活用したチャットボットで、さまざまな質問に答えたり、文章を生成したりできます。
テキストの理解や生成を得意としており、会話や文章の校正、補完などもサポートしてくれるんです。
そんな頼もしいChatGPTですが、企業の社名という少し特殊な固有名詞にも対応できるか?を、今回テストしてみようというわけです!
実際の検証:長い文章に間違えやすい社名を混ぜてみた
それではいよいよ検証タイム!
今回は、単に「キャノン」などの単語を入力するだけでなく、日常的な文章の中に自然に間違えやすい社名を混ぜてみます。
その文章をChatGPTに「以下の文章を校正して、間違いを指摘してください。」とお願いして、どれだけ正確に修正してくれるかを見ていきます!
先日、友達がキャノンの最新のカメラを買ったって話を聞いて、ちょっと興味が湧いた。ブリジストンの新しいタイヤも買おうかと思ってるんだけど、どっちが先かな…そういえば、サイゼリアに行って久しぶりにミラノ風ドリアを食べたけど、相変わらず美味しかった!
ではこの文章をChatGPTに投げかけてみます。
正しく校正してくれるでしょうか?
やりました!
ChatGPTは見事に修正してくれました。
ちゃんと解説まで書いてくれています。
会社で使っているのは、印鑑はシャチハタで、シャッターは文化シャッター、カメラは富士フィルムの製品です。 カメラはビッグカメラで購入しました。 お酒はニッカウイスキーを好んで飲みます。エスビー食品やブルドッグソースの商品なんかもよく買います。
この文章もChatGPTに校正してもらいます!
おっと!
7個中指摘は5個でした!
「文化シヤッター」と「ニッカウヰスキー」の指摘がありませんでした。
でもよく見ると「校正後の文章」では、「ニッカウヰスキー」に修正されていますね。
あと「エスビー食品」の解説では
「エスビー食品」 → 正しくは「エスビー食品株式会社」または略称のままでも問題なし。
●「エスビー食品株式会社」が正式名称ですが、略称の「エスビー食品」も一般的に使用されるため、ここでは許容される範囲です。
と記載があります。
なぜか「エスビー食品」だけ「株式会社」の表記を指摘しています。他も社名も正式には「株式会社」が付きますが、なぜでしょう?
ChatGPTに聞いてみました。
という回答が返ってきました。
「他の社名に比べて略称と正式名称が異なることが明確である点が理由」ということですが、あまりよくわかりません。
ただ、「ヱスビー食品」への指摘はどこに行ったのでしょうか?
これも聞いてみました。
なんと!
そういえばちゃんと調べていなかった!・・・ということで調べてみました。
社名をヱスビー食品株式会社に
1931年に、商標・ヒドリ印に「太陽=SUN」と「鳥=BIRD」の頭文字である「S&B」を併記して新たに商標としました。
これがそもそもの“エスビー”の呼び名の始まりです。この背景には事業も順調に発展し、また英語知識も普及したこと、そして商品の世界的性格もあったと言われています。 そして戦後1949年(昭和24年)に企業近代化の一環として、時代の流れに添い広く慣れ親しまれた「S&B」に因み、「ヱスビー食品株式会社」と社名を変更しました。
こうして“ヱ”=カギエを使用したヱスビー食品の社名は長く親しまれ、伝統・歴史を感じさせる、格式・老舗を感じさせる、本格的な商品を作るといったイメージを象徴して参りましたが、この文字を使う機会が減ってきたこと、常用語ではないこと(学校教育では使われていない)などの事情を考慮し、読みやすく、スマートさ、時代への適合を考え1992年7月、「ヱ」を「エ」に変更し、それ以来エスビー食品株式会社と表記しています。
※ただし登記上の商号は伝統のある「ヱ」のままとし、“ヱスビー食品株式会社”と表記されています。
(エスビー食品ホームページ「社史・沿革」>「社名をヱスビー食品株式会社に」より
https://www.sbfoods.co.jp/company/profile/history/shamei.html)
なんと!
1992年7月から「ヱスビー食品」が「エスビー食品」に変更していました!
商品パッケージの裏にもこのように記載されていました!
ちゃんと調べていなかったわたしがイケないのですが、ChatGPT恐るべし!
(「S&B」が「太陽=SUN」と「鳥=BIRD」の頭文字だということも、今回初めて知りました。ChatGPTさんありがとう!)
ChatGPTの実力とは?
いかがでしたでしょうか?
「ChatGPT vs 間違えやすい社名」というテーマで、ChatGPTがどれだけ正確に校正してくれるかを検証してみました。
普段何気なく使ってしまう社名でも、正しい表記には意外なこだわりや理由が隠されていますね。
今回の検証では、ChatGPTがほとんどの間違えやすい社名を見事に修正してくれたことがわかりました。
ただし、一部の社名については修正が漏れたり、解説が不明瞭な部分もありました。
この結果は、ChatGPTが十分に信頼できる校正ツールであることを示していますが、時折は人間の手による確認も必要かもしれません。
特に「ヱスビー食品」のケースでは、企業の歴史や商標の変更についての詳細な調査がなされていた点に驚きました!
ChatGPTの能力の高さを改めて実感しましたが、最新の情報にあたることや、細かいニュアンスの確認が重要であることも学びました。
このブログが、校正の際の注意点や、間違えやすい社名にあたる際の心構えについての参考になれば嬉しいです。
次の「ChatGPT検証シリーズ」も
お楽しみに!