ChatGPT vs 方言! 地域特有の言葉をどこまで理解できる?

ChatGPT vs 方言! 校正

目次

校正者泣かせ?地域ごとの呼び方問題とChatGPTの対応力

日本には、同じものでも地域によって呼び方が異なる言葉があります。

 

「ばんそうこう」を例にとってみても、「カットバン」「バンドエイド」とさまざまです。

食べ物や習慣などに関しても、地域ごとに異なる名称が使われることが多く、これらの違いは地域文化の深さを感じさせます。

しかし、校正の現場では、このような言葉の違いが時として問題を引き起こすことがあります。

 

「ばんそうこう」「カットバン」―どちらが正しいのか? それとも、どちらも正しいのか?

 

校正者としては、地域特有の表現をどのように扱うべきか頭を悩ませる場面が少なくありません。

特に全国向けのコンテンツや製品の場合、こうした違いをどう扱うかは非常に重要な問題となります。

正しい表現に赤字を入れるべきか、それとも地域ごとの表現を尊重してそのままにするべきか。

そのような迷いの中、AIであるChatGPTはどのような対応力を持っているのでしょうか?

 

今回、ChatGPTに地域ごとの呼び方をどれだけ理解できるか、「ChatGPT vs 方言バトル」としてテストをしてみました。

地域特有の表現を、ChatGPTが適切に理解できるのかを検証してみたいと思います。

 

校正者が対応を悩む場面で、ChatGPTは果たしてどのように対応するのでしょうか?

 

この実験を通じて、AIがどこまで地域文化に対応できるか、その実力を探っていきます。

 

ちなみに、筆者は山梨県出身ですので山梨での呼び方もちょこちょこ紹介していきます。

地域によって呼び方の異なるものを見てみよう

ばんそうこう

まず思い浮かぶのは「ばんそうこう」ですね。

「ばんそうこう」は地域によって以下の呼び方が存在するそうです。

ばんそうこう

サビオ…北海道・和歌山・広島

カットバン…東北地方・山梨・岡山・鳥取・島根・山口・愛媛・高知・佐賀・長崎・鹿児島

バンドエイド…関東地方・大阪・京都・兵庫・滋賀・三重・愛知・岐阜・香川・徳島

リバテープ…福岡・熊本・大分・宮崎・沖縄・奈良

キズバン…富山

 

どれも、その地域で一番メジャーな「ばんそうこう」の銘柄が呼び名として定着したそうです。

(リバテープ製薬HP「絆創膏MAP」よりhttps://libatape.jp/map/

 

私も「カットバン」を標準語だと思って使っていました。                                 上京したてのときに、「カットバン」が通じなくて焦った記憶があります。

 

今川焼き

「今川焼き」も地域によって呼び方が違いますよね。

 

今川焼き

 

関東では「今川焼き」が主流で、東北や中国・四国地方は「大判焼き」、九州や大阪では「回転焼き」、北海道では「おやき」、兵庫では「御座候」と呼ぶそうです。

 

「御座候」って初めて聞きましたが、兵庫県ではお店の名前が由来となっているそうです。

 

親指を出し合って立てた指の数を競う手遊び

小さいころよくやりましたよね。

この親指を出し合って立てた指の数を競う手遊びも地域によって呼び方が違うようです。

 

親指を出し合って立てた指の数を競う手遊び

 

東京や神奈川などでは「いっせーのせ」、北海道・兵庫・広島では「いっせーので」、新潟・富山では「指スマ」、千葉では「チョメチョメ」という地域もあるそうです。

 

山梨では「せっさん」と呼んでいました。
「せっさんいち!」「せっさんに!」という感じです。

ChatGPT vs 方言バトル

では、これら地域によって呼び方が違うものをChatGPTはどれくらい理解できるのでしょうか?

 

ChatGPTに「あなたは山梨県民です。」や「あなたは兵庫県民です。」と特定した場合、その地域特有の呼び方で返してくれるのでしょうか?

 

まずは、こんな質問をしてみました。

あなたは山梨県民です。

ちゃんと「サビオ」「カットバン」に直してくれました!

山梨では「ばんそうこう」のことを「カットバン」と呼ぶことをChatGPTは理解していました!

 

次は、兵庫県民になってもらいましょう。

あなたは兵庫県民です。

これも「大判焼き」を兵庫県の呼び方の「御座候」に直してくれました。

ちゃんと兵庫県民になっています。

ChatGPT vs 方言バトル(画像編)

では、画像認識機能はどうでしょうか?

画像認識機能今川焼き

「御座候」ではなく「今川焼き」という回答でした。

「兵庫県では「回転焼き」と呼ばれることが一般的です。」と言っていますが、「回転焼き」は九州や大阪での呼び方です。

 

質問の仕方が悪かったかもしれませんね?

画像認識機能御座候

「これは兵庫県では何と呼びますか?」という質問には、ちゃんと「御座候」と答えました。

画像認識機能ばんそうこう

山梨県の呼び方「カットバン」も答えてくれました。

 

ここまでの結果からわかったことは、ChatGPTは質問の仕方によって地域特有の言葉を正しく認識できるということです。

 

しかし、画像認識機能では正確に地域特有の呼び方を反映するのは少し難しいようです。

言葉としての地域特有の表現を理解することはできても、それが視覚的にどう表現されるかは別の問題のようです。

 

このような結果を踏まえて、今後、地域ごとの特有の呼び方をChatGPTに正確に理解させるためには、どうすればよいのでしょうか?

ChatGPTを活用するための質問テクニック3選

1.質問の仕方を工夫する

実際のところ、今回のテストでわかったことは、質問の仕方によって結果が大きく左右されるという点です。

具体的には、「山梨では何と呼びますか?」や「兵庫では何と呼ばれていますか?」というように、地域を特定した上で質問することが重要です。

このような文脈で質問を投げかけることで、ChatGPTはその地域特有の言葉をより正確に認識してくれます。

 

2.単語の定義を補足する
ChatGPTは過去にトレーニングされたデータをもとに返答しますが、そのデータには全ての方言や地域特有の言葉が含まれていない可能性があります。

そのため、特にマイナーな地域の言葉や方言に関しては、最初にその言葉の意味や使われ方を説明するのが効果的です。

例えば、「カットバン」という言葉を使用する前に「山梨ではばんそうこうのことをカットバンと呼ぶ」と前置きすることで、ChatGPTが正確に理解しやすくなります。

 

3.データのアップデートを期待する
ChatGPTのようなAIは、時が経つごとにアップデートされるため、今後はさらに地域特有の言葉や方言に対する理解が深まる可能性があります。

新しいバージョンのAIモデルがリリースされるたびに、地域特有の言葉がどの程度反映されているかを確認し、テストしてみるのも面白いかもしれません。

ChatGPTイメージ

 

 

 

 

ChatGPTへの挑戦は続く

今回のテストを通じて、ChatGPTが地域ごとの呼び方や方言にある程度対応できることが確認できました

ただし、その精度は質問の仕方や文脈に大きく影響され、特に視覚的な要素が絡む場合には正確さに課題が残ることも明らかになりました。

 

日本全国には多様な言葉や文化が存在しており、AIがそれをどこまで理解できるかは、校正やコンテンツ制作の現場で重要な課題です。

実際、地域を特定したり、前提となる知識を補足することで、ChatGPTはその地域特有の表現にも比較的正確に対応できることが実証されました。

しかし、完璧な対応には至っておらず、特に全国向けのコンテンツでは工夫が求められます。

 

ChatGPTを効果的に活用するためには、「質問の仕方の工夫」や「地域特有の言葉の定義付け」が重要なポイントとなります。

こうした工夫によって、AIの能力を最大限に引き出し、より正確な表現が可能となるのです。

 

今後のAI技術の進化により、地域特有の表現への理解力はさらに向上することが期待されます。

校正や地域ごとのコンテンツ制作においても、ChatGPTはますます有効なツールとなるでしょう

定期的なアップデートを活用し、継続的にテストや実験を行うことで、より効果的な活用方法を模索していくことが重要です。

地域文化の多様性を尊重しながら、AIの力をどのように活かしていくか。

このテーマは、今後も探求し続ける価値があるでしょう。

 

次はどんな挑戦をChatGPTに投げかけようかと、

毎日ワクワクしています!