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DTP制作の現場で求められる効率化とは?
DTP制作や校正の業務は、細かい調整が多く、スケジュール管理が非常に重要です。
わが制作本部では主にカタログ制作を手がけており、各案件の進行状況を把握し、適切な人員配置を行うことで、スムーズな制作進行を目指しています。
しかし、手作業による進行管理では、
- スケジュール調整に時間がかかる
- 作業負荷を均等に配分しづらい
- 正確な作業時間の見積もりが難しい
といった課題が発生します。
そのため、より効率的に作業時間を管理し、スムーズなスケジューリングを行う方法が求められています。
そこで、業務効率化を目的としたGPTsを作成しました。
このツールを活用することで、DTP制作と校正の作業時間を瞬時に算出し、最適なスケジューリングが可能になります。
この記事では、GPTsの詳細や、その背景にあるChatGPTの活用方法についてご紹介します。
ChatGPTとは?
まず、ChatGPTについて簡単に説明します。
ChatGPTは、OpenAIが開発した高度な人工知能モデルで、文章生成や言語処理に特化した技術を持っています。
「GPT」とは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、テキストのパターンを理解し、自然な文章を生成できます。
ChatGPTの活用範囲は広く、
- 文書作成
- 要約
- 翻訳
- データ整理
- 業務の自動化
など、さまざまなタスクに対応可能です。
また、特定の業務に合わせてカスタマイズすることもでき、今回作成したGPTsのように作業時間の算出やスケジュール管理を支援するツールとしても活用が可能です。
GPTsとは?
GPTs(カスタムGPT)とは、特定の業務プロセスに特化したAIツールです。
事前に決められたプロンプト(指示文)を組み込むことで、より精度の高いアウトプットが可能になります。
今回ご紹介するGPTsもその一つで、DTP制作・校正の作業時間を自動算出し、スケジュール管理を支援するためのGPTsです。
GPTsの強みは、業務に最適化された指示を組み込むことで、より正確で効率的な業務支援を実現できる点にあります。
「ジカラクル」の概要と作り方
今回ご紹介するGPTsは、DTP制作と校正の作業時間を瞬時に算出し、最適なスケジューリングを支援するGPTs(カスタムGPT)です。
わが制作本部の業務フローに合わせて設計されており、プロジェクトごとのページ数や難易度を入力するだけで、自動的に作業時間と作業日数が計算されます。
GPTs名

GPTs概要
「ジカラクル」は、DTP制作・校正の作業時間をもとに、必要な作業日数を自動計算するツールです。
プロジェクトごとのページ数や難易度を入力するだけで、DTP制作時間・校正時間を合算し、1日8時間作業を基準に、1人・2人・3人で作業した場合の作業日数を3パターンで算出します。
GPTsのプロンプトの作り方
では、この「ジカラクル」はどのように設計されているのでしょうか?
GPTsを活用する際のプロンプト設計のポイントを3つのステップでご紹介します。
まずは、ユーザーに何を入力してもらう必要があるかを明確にします。
「ジカラクル」では以下の4つの項目を入力してもらいます。
- 総ページ数
- 大難易度のページ数
- 中難易度のページ数
- 小難易度のページ数
入力項目はシンプルかつ漏れがないように設計し、ユーザーが迷わず入力できることが重要です。
プロジェクト情報の入力例
これらの情報を基に、DTP制作時間と校正時間が算出されます。
例えば、大難易度のページ数が多い場合、当然DTP制作時間や校正時間は長くなります。
逆に、簡易なページが多い場合は、作業時間が短縮されるというわけです。
次に、どのように計算するかのルールをプロンプト内に具体的に記載します。
例えば、「ジカラクル」では以下のように作業時間を計算しています。
- DTP制作時間 = 大難易度 × 1時間 + 中難易度 × 0.5時間 + 小難易度 × 1/6時間
- 校正時間 = 大難易度 × 0.5時間 + 中難易度 × 1/4時間 + 小難易度 × 1/12時間
計算方法をあらかじめプロンプト内にしっかりと記載しておくことで、正確かつ再現性の高い出力が得られます。
この計算プロセスにより、各ページの難易度に応じた作業時間が正確に算出され、総作業時間も自動で計算されます。
次に、算出された作業時間をもとに、人数ごとの作業日数を計算します。
これにより、プロジェクトに必要なリソースを効率的に配置できるようになります。
1人で作業する場合と、複数人で作業する場合とでは、当然ながら作業日数が異なります。
「ジカラクル」では、「1日8時間作業」とし、1人、2人、3人それぞれの場合の作業日数を算出し、最適なスケジューリングを提案します。
最後に、ユーザーが結果を一目で理解できる出力フォーマットを決めます。
「ジカラクル」では、以下のように表形式で出力を統一し、無駄な文言を省いてシンプルにまとめています。
このように、
①入力項目 → ②計算ロジック → ③出力フォーマット
の3ステップをしっかり設計することで、
誰でも簡単に使える実用的なGPTsが完成します。
「ジカラクル」を導入することで、これまで手作業で行っていた作業時間の見積もりが一瞬で完了し、スケジュール調整やリソース配分がよりスムーズになります。
人数を変えた場合のシミュレーションも容易なので、クライアント様の納期や要望にも柔軟に対応できます。
「ジカラクル」は、わが制作本部で必要とされた効率化ツールの一例です。
しかし、こうしたツールはDTP制作に限らず、あらゆる業務で応用できる可能性があります。
では、日々の業務を効率化するためには、まずどこから手をつければよいのでしょうか?
効率化の第一歩
日々の業務の中で、「もっと効率化したい!」と感じることは多々あると思います。
まずは日々の作業を棚卸ししてみて、効率化できそうな業務を洗い出すところから始めましょう!
ちょっとずつでも効率化できると仕事も楽しくなってくるはずです!
ChatGPTをはじめとした生成AIを活用して、あなたの職場でも効率化の第一歩をはじめてみませんか?
ぜひ、皆さんも試してみてください。
次回もお楽しみに!