目次
- OCR文字おこしくん、はじめました。
- DTPや校正の現場で、画像文字起こしが抱えるリアルな問題
- 「OCR文字おこしくん」なら、選んだ部分だけサッとテキストデータに
- 実際に使ってみた!
- 「部分文字起こし」で、校正現場の精度とスピードがアップ
- 今後の展望とカスタマイズも可能
- 地味だけど大事な「文字起こし」に、AIの力を
OCR文字おこしくん、はじめました。
こんにちは。校正担当のD橋です。
今回は、私たちDTP制作会社で日々直面している「画像データからの文字起こし」の手間を軽減すべく、ChatGPTのカスタムGPT機能(GPTs)を使って作成したツールをご紹介します。
その名も――「OCR文字おこしくん」。
文字起こしにまつわる地味だけど切実な課題に、AIの力でちょっとした革命が起きたかもしれません。
DTPや校正の現場で、画像文字起こしが抱えるリアルな問題
DTP制作の仕事では、こんなシーンがよくあります。
- 修正指示が書き込まれた校正紙のPDFから、赤字部分だけ文字を起こしたい。
- 古いスキャン資料の中から、特定の見出しや本文だけ拾いたい。
- クライアントが送ってきた画像付きの修正指示の中で、一部だけテキスト化して共有したい。
「全部じゃなくて、この部分だけでいいのに…」
そんなとき、画像全体をOCRにかけても、整形に手間がかかる。
不要な部分まで出力されたり、レイアウト崩れで読みにくくなったり。
全部だと抽出精度が悪くなったり…。
結果、「やっぱり目で見て手で打つか…」というループに陥ること、ありませんか?
「OCR文字おこしくん」なら、選んだ部分だけサッとテキストデータに
そこで登場するのが、「OCR文字おこしくん」です。
このツールは、PDFや画像ファイルの中から必要な箇所を選択してアップロードするだけで、そこに含まれる文字だけをピンポイントで抽出してくれるGPTsです。
特長は以下のとおり
- 画像の一部だけ切り出してアップロードOK
→ 必要な箇所だけテキスト化できます。 - 手書きの赤字も活字も対応
→ 校正紙や手書きメモも精度よく読み取り。 - 余分な改行・空白・注釈ナシ
→ 純粋な文字列のみを出力。整形不要でコピペOK! - 日本語+英数字、ローマ字も対応
→ ロゴや見出しの再利用にも便利です。
特に、「レイアウトは不要。文字だけ拾ってくれればいい」というニーズにフォーカスしています。
実際に使ってみた!
私自身が実際に試してみた使用例をご紹介します。
✅校正紙の赤字だけ抽出
校正者の手書き修正が入った紙面をスキャンし、赤字部分だけを切り出してアップロード。
結果、すべての文字が正確にテキスト化されました。
赤字の転記ミス防止に最適です。
✅カタログPDFのキャッチコピーだけ抜き出し
文字選択できないカタログPDFから、キャッチコピーだけを切り出して「OCR文字おこしくん」へ。
装飾やレイアウトに惑わされず、キャッチコピーだけを文字列として抽出。
再編集のベースに活用できました。
✅手書きメモの要点をチームで共有
営業担当が書いた手書き修正メモの写真から、必要な部分だけをアップロード。
共有すべきポイントをそのままテキストとして抽出→即共有でき、タイムロスが激減。
このように、画像内の文字を純粋に抜き出す用途であれば、専用ソフトに頼らなくてもかなり実用的です。
「部分文字起こし」で、校正現場の精度とスピードがアップ
「OCR文字おこしくん」は、「全部じゃなくて、ここだけ欲しい」にぴったりのツールです。
- 手書きの赤字転記ミスを防ぐ
- スキャン原稿からテキストを素早く拾う
- 修正内容を簡単に共有・転用する
- カタログPDFからベース原稿を作る
- 古い資料の一部を文字として再活用する
これらすべてが、画像の一部を選んでアップロードするだけで実現します。
今後の展望とカスタマイズも可能
GPTsで作成しているため、ニーズに応じてこんな発展も検討できます。
- 手書き部分だけ抽出して一覧化
- 特定のキーワードだけ自動抽出
- CSV形式での出力やタグ付け など
使う場面に応じた「派生版」の展開も可能です。
(社内向けツールのため、プロンプトなどは非公開です)
地味だけど大事な「文字起こし」に、AIの力を
DTP制作や校正の現場では、「ちょっとした文字起こし」の積み重ねが時間と労力を奪う大きな要因になっています。
「OCR文字おこしくん」は、そうした日々のルーチン作業を少しでもラクに、正確に進められるように――という思いから生まれました。
ChatGPTのカスタム機能を活かせば、業務に寄り添った「現場型ツール」を自分たちで作ることも可能です。
難しいことをしなくても、使い方次第で業務改善の可能性は大きく広がります。
「OCR文字おこしくん」、
もしご興味があれば、ぜひ一度お試しください。
「手で打ち直す」時代にサヨナラする日も、
そう遠くないかもしれません。